検索エンジンに評価されるWordPressサイト構成とは?SEOに強い構造化のポイント
はじめに:WordPressのSEOは「サイト構造」で決まる
WordPressでサイトを運営する際、多くの人が記事の内容やデザインに注力しますが、SEOで本質的に重要なのはサイト全体の「構造設計」です。
個々の記事がどれだけ高品質でも、サイト全体の構造が整理されていなければ、Googleはその価値を正しく評価できません。情報の階層が不明確だったり、ページ同士の関連性が伝わらなかったりすると、サイト全体のSEO評価が伸び悩む大きな原因となります。
この記事では、検索エンジンがサイトの価値を正しく認識し、評価するための、論理的でSEOに強いWordPressのサイト構成について解説します。
結論:情報の階層が明確で、論理的に整理されたサイト構造が必須
検索エンジンに好まれるサイト構成とは、一言でいえば、トップページから下層ページに至るまで情報の階層が明確であり、URL、カテゴリ、内部リンクが論理的に整理されているサイトのことです。
Googleのクローラーは、サイト内を巡回して各ページのテーマや重要度、ページ間の関連性を把握しようとします。その際、サイト構造が整理されていると、クローラーは効率的に情報を収集・理解できるため、サイト全体のテーマ性が高く評価されやすくなります。
サイト構造の最適化は、SEOにおける最も基本的な土台作りです。
SEOに理想的なサイトの階層構造
SEOの観点から理想的とされるのは、トップページを頂点とした、シンプルで分かりやすいツリー構造(階層構造)です。
【第1階層】トップページ ├─【第2階層】固定ページ(サービス紹介など) │ └─【第3階層】固定ページ(サービス詳細) │ └─【第2階層】投稿一覧ページ(ブログなど) ├─【第3階層】カテゴリーページ │ └─【第4階層】投稿ページ(個別記事) │ └─【第3階層】カテゴリーページ └─【第4階層】投稿ページ(個別記事)
このように、情報が適切に分類され、URL構造も(例:/service/web-design/
のように)階層と一致していると、Googleはサイトの専門分野と各ページの役割を正確に理解できます。
SEO評価を下げやすいサイト構成の3つのNG例
逆に、以下のようなサイト構成は、Googleがサイトの内容を理解するのを妨げ、SEO評価を下げる原因となります。
1. カテゴリやタグが整理されていない
記事を分類するためのカテゴリが過剰に多かったり、一つのカテゴリに1〜2記事しか属していなかったりする状態は、情報が散乱していると見なされます。また、記事ごとに無計画にタグを増やすと、低品質なページが大量に生成され、サイト全体の評価を希薄化させる原因になります。
2. 投稿タイプが不適切(固定ページと投稿の混同)
本来、時系列で追加していくブログ記事は「投稿」で、サービス紹介や会社概要といった普遍的な情報は「固定ページ」で作成するのが基本です。これを無視して全てを固定ページで作ってしまうと、カテゴリによる分類ができず、サイトの構造化が困難になります。
3. 内部リンクやナビゲーションが不十分
ユーザーやクローラーがサイト内をスムーズに回遊するためのナビゲーションが不足している状態です。特に、自分が今サイトのどの階層にいるかを示す「パンくずリスト」がなかったり、関連する記事への「内部リンク」が設置されていなかったりすると、各ページの関連性が伝わらず、機会損失に繋がります。
【実践】SEOに最適なWordPressの初期設定
サイト構築の初期段階で、以下の3つの設定を必ず行いましょう。後から変更すると、URLが変わってしまいSEO評価に大きな影響が出ます。
1. パーマリンク設定を最適化する
管理画面「設定」→「パーマリンク設定」で、「投稿名」または「カスタム構造(例:/%category%/%postname%/
)」を選択します。これにより、ページのURLが意味のある単語で構成され、Googleとユーザーの双方にとって分かりやすいものになります。初期設定の「基本(/?p=123)」のまま運用するのは絶対に避けてください。
2. カテゴリを戦略的に設計する
記事を書き始める前に、サイトの主要テーマを表すカテゴリを5〜8個程度に厳選して設計します。このカテゴリ構造が、サイトの専門性をGoogleに伝える骨格となります。
3. タグの運用ルールを明確にする
タグは、カテゴリを横断するキーワードとして補助的に使用します。無闇に増やさず、複数の記事に共通して設定できる、ユーザーが検索で使いそうなキーワードに限定して利用しましょう。
E-E-A-Tを高める、サイトの信頼性を構成する必須ページ
論理的なサイト構造に加えて、Googleがサイト全体の「信頼性」を評価する上で非常に重視するのが、以下のページ群の存在です。これらは、サイト運営者の透明性を示し、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の証明に不可欠です。
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会社概要/運営者情報
「誰が」このサイトを運営しているのかを明確にする、最も基本的なページです。法人の場合は会社名、所在地、連絡先を、個人の場合はプロフィールや経歴、実績などを詳細に記載しましょう。 -
お問い合わせフォーム
ユーザーがいつでも運営者と連絡を取れる手段を用意することは、サイトの透明性と信頼性を示します。簡単にアクセスできる場所に設置することが重要です。 -
プライバシーポリシー
お問い合わせフォームなどで個人情報を収集する場合、その取り扱い方針を明記したプライバシーポリシーの設置は必須です。これは法令遵守の観点からも重要であり、サイトの誠実さを証明します。 -
著者情報(記事コンテンツの場合)
ブログなどの記事コンテンツでは、「誰が」その記事を書いたのかが、情報の信頼性を大きく左右します。著者ごとにプロフィールページを用意し、その分野での専門性や経歴を示すことで、コンテンツの権威性を高めることができます。
これらのページは、単に形式的に用意するだけでなく、内容を充実させ、サイトのフッターなどから全ページで簡単にアクセスできるようにしておくことが推奨されます。
【技術的SEO】構造化データで、サイト構造をより明確に伝える
サイトの構造を、さらに正確に、かつ効率的に検索エンジンへ伝えるための技術が「構造化データ」です。
構造化データとは、サイト上の情報(例えば「これはパンくずリストです」「これは記事の公開日です」など)を、Googleが理解しやすい共通の形式で“タグ付け”するマークアップのことです。これにより、Googleはサイトの情報をより深く、正確に解釈できるようになります。
構造化データの主なメリット
- リッチリザルト表示の可能性:検索結果にFAQ、レビュー、レシピなどの付加情報が表示され、クリック率の向上が期待できます。
- E-E-A-Tシグナルの強化:著者情報や組織情報などを構造化データで示すことで、サイトの信頼性を補強できます。
- クロールの手助け:パンくずリストなどを構造化することで、Googleがサイトの階層構造をより正確に把握する手助けになります。
WordPressならプラグインで簡単実装
専門的な知識が必要に思えるかもしれませんが、WordPressを利用している場合、多くのSEOプラグイン(例:Yoast SEO, All in One SEO, Rank Mathなど)に、基本的な構造化データを自動で出力する機能が備わっています。
また、より高度な設定をしたい場合も、専用の構造化データプラグインを導入すれば、比較的簡単に実装が可能です。まずは、基本的な「パンくずリスト」や「記事情報」の構造化データが正しく出力されているかを確認することから始めましょう。
まとめ:サイト構造の最適化は、最も重要な初期投資である
記事単体の品質向上や被リンク獲得も重要ですが、それらの効果を最大限に引き出すためには、土台となるサイト構造がしっかりしていることが大前提です。
サイト構造は、後から大幅に変更するのが技術的にもSEO的にも非常に困難なため、サイト立ち上げの初期段階で戦略的に設計することが、将来のSEO資産を築く上で最も重要な「初期投資」と言えます。
これからサイトを立ち上げる方、あるいは既存サイトの評価に伸び悩んでいる方は、まずこのサイト全体の「構造設計」から見直してみてください。